虚勢の銀貨

東村の日々の記録

歯車にもなれない木偶人形

 そういえば、まだ厳密にどういった方向へ向かうかは分かっていないんですが、ひとまず会社を辞めるのを止める方向に動いています。可能なら今すぐにでも辞めたかったんですけどね。。。

 

 元々辞めようと感じたのは、別段生活の伝手を見つけたわけでも、ハラスメント系の問題があったからでもないことは、多分皆さん知っていると思います。私が一般社会に溶け込めず、人間未満のクソの役にもたたない産廃だったから、ってのが一番大きいのかな。端的に言えば、周りが仕事できる人ばっかりで自分が惨めになるから逃げたかったんですよね。

 

 私、大学時代に半ば鬱に片足を突っ込んでリタイアしかけたことがありました。世間的にはそこそこ優秀と言われるところに、高校三年生の人生で一番受験勉強をしていたときの能力値でギリギリ小指の爪はかかるかな、くらいでなんとか合格しました。学校自体は第一志望で、当時のフルパワーと試験問題の運もあって、無事入学できました。

 ですが、多分本当にギリギリの合格でしたから、同級生とは否応なく差があるわけですよね。私の学科は全員でも74人しかいない少ないもので、必修は三クラスしかありませんから、周りの状況を聞くには十分でした。私がやっとなんとか、というレベルの学校を滑り止めで受ける人もいたわけです。勿論、東大や京大、旧帝大が第一志望の人もたくさんいました。そんな学友?達は地頭が私なんかの数倍良く、今では外務省に勤務している人もいます。当然、彼ら彼女らが大多数を占める環境ではそちらに合わせたカリキュラムが組まれていくわけです。

 私も、努力をしなかったわけではありません。ありませんが、多分始めるのが遅すぎたんでしょう。このままじゃやばいんじゃないか、と感じた時には既に私と彼ら彼女らには信じられないほど大きい差がうまれていました。

 インプレッサGT-Rがチューニングを重ねて走っていくのを追いかけるような、そんなところです。乗っているのがフェアレディzあたりならまだなんとかなったかもしれませんが、生憎私が乗っているのは一気筒が死亡した半世紀前の軽自動車でした。現行車には遠く及ばず、チューニング以前の問題でした。

 そんな中で、みんなについていくために頑張ることに疲れてしまいました。なんとなく外語系の学部を受験して、幸か不幸かそこに入ってしまっただけで、さしたる目標も何もなかったんです。大学自体も、強い想いがあって志望したわけではなかったです。全体的に「偶然そうなってしまった」と言うのが一番正確な気がします。だから当時の現状を打破するための強い動機も確固たる信念も持てなくて、無様に折れたんです。

 

 今の会社を受けたときも、正直これに似たものがあります。大学で専攻だった外国語は、それを活かして仕事に就けるほどの力なんてついていませんから、外務省や翻訳家、通訳者には向きません。製造業の技術職や研究職は大学の専攻が違ったために門前払いされます。商社マンのようにハングリー精神に満ちていれば、そもそも大学で失敗なんかしません。免許制の教員や学芸員はそれを持っていませんから就けません。

 そもそも私は文系出身ですから、必然的に文系職に限られます。しかも食わず嫌いが酷いタチですから、選考以前に、スタートラインに挙がるものの方が稀です。面倒臭いと思うでしょう? 私自身もそう思います。

 だから、正直な話、ある程度興味がある範囲ならどこに入っても同じだと思ったんです。営業でも人事でも管理部でも、バックボーンゼロなら変わらないと考えていました。ここが大きな間違いです。

 営業職なんて、お客様のことを気にかけて、しかも扱う製品に精通していないと成り立ちません。知識は追々つけるとしても、お客様のことを気遣って言外の意まで汲み取る姿勢は求められます。それを実現する方法は正誤があるにしても、根幹は同じはずです。ですが、私にはそれができません。そりゃあ、自分の人生にすら真面目に向き合えないボンクラが、赤の他人でしかも自分のコミュニティに直接的な影響をもたらさないお客様に対して真摯に向き合えるはずがありません。

 だから仕事を辞めようと思ったんです。

 

 でも、ここ最近、実家の方で結構な問題が出てきました。辞めたあと、何がしかの方針が決まるまで実家に寄生しようと考えていました。惨めな泥人形ですから、寄生虫みたいに生きようかなと。ただ、この問題のせいで実家にも帰るどころか、頼ることすら難しくなりそうです。

 そうなると自分で生活営まないといけないんですが、ここで私の頭が問題になるんですよね。知っての通り、もう私の脳は世間一般の、社会生活を営める人達が考えるような構造にはなっていないんです。簡単に言ってしまえば、終わってるんです。スケジュールは立てられず、散在は止まらず、計画性がなく、物忘れは多く、部屋は汚く。一人暮らしできない典型ですね。

 今の仕事を辞めたあとは、ある程度フリーターでなんとかしようと思っていましたが、そんなことをするときっと多重債務者に直行でしょう。『カイジ』のような生活になるか、誰にも知られないうちに病で死んでいるか、つまりはまともな生活ができないってことは目に見えているんです。

 

 ですから、せめて社会保障を使えるというだけで今の職をそれとなく続けることを選択し直しました。ですが今後どうなるかは未だ分かっていません。先日、課長部長と面談してボロクソに叩かれました。当然ですよね、今まで散々私の勝手で振り回して、今度はそれを翻すんですから。

 濃厚なのは、きっと今の部署にはいられないだろうなってことです。この後、どこへ飛ばされるかは分かりませんが、実際のところ、今のまま上手くそこでやっていけるなんて考えていません。きっと惨めな気持ちを抱えたまま、たった48時間の自由を得るために平日5日間を全部犠牲にする生活を続けるんです。

 オフィスにいるとものすごく精神を張っているようで、家に帰って布団に横になると気付けば朝日が昇ってます。大体20時頃家に帰って、20時半から翌7時くらいまでは夢の中です。服を脱いで、窓を開けて換気して、少し横になってケータイをいじろうと思っただけで、気付けば寝落ちしています。それが平日だと毎日続きます。平日の120時間を犠牲にして、週末の48時間(起きてる時間だけなら30時間強)楽しむためだけに生きてる。

 人生ってなんなんでしょうか。

 私の同期は私よりも遥かに多い仕事量を与えられているのに、社内ニート同然の私の方が疲れるなんて、きっと人間として、少なくとも今の社会が求める人柱にはなれないクソッタレなんでしょう。

 

 あと何年、市場の奴隷をしていけばいいのでしょう。

 

 

ゲヘナより哀を込めて。